85話 余命わずかの脇役令嬢【原作小説】

ピッコマで公開中のマンガ「余命わずかの脇役令嬢」の韓国版原作小説を読んだ感想です。
とても素敵な作品ですのでぜひピッコマで絵付きで御覧ください☆

「余命わずかの脇役令嬢」韓国版はkakao pageで読むことができます。

!!ネタバレがありますので、ご注意下さい!!
※韓国語を翻訳しながら読んだので、誤りがある場合もあります。ご了承下さい。

85話 感想です☆

※すももの感想です☆解釈違いもあるかも知れませんので、よろしくお願いいたします。

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ささやく声

食後、当然のように画室へ足が向かうカリナ。自分の家よりも慣れた場所です。

感情が波のように上下するカリナです。
心を与えないように行動するべきだったのか。優しさにそっけなくしなかったのが問題だったのか…今更立て直そうとして努力しても、すでに崩れる寸前で、あとはもう少し深い沼にはまることだけ。
打ち明けることも出来ず、もどかしくため息を付くカリナ。

とりつかれたようにイーゼルの前に座り筆を取ります。
最近は鉛筆で書く時間さえもったいないと考えるようになりました。

最も思い浮かぶミリアンと見た湖は、機会があればその場で描きたいと思うカリナは、本能的に手を動かします。自分でも何を描くのかはっきりしません。

キャンバスの上に色が重なり、次第に輪郭が整います。
完成すれば、これは死ぬ直前まで一緒にいられるのだろうか?
あと何筆かで完成し、それは奇跡が起こると同じ意味です。

心臓の音が耳障りに響き渡り、誰かがしきりに絵を完成させろという衝動を受けます。
完成しなければ苦しそう。反対に完成させれば楽になると思うカリナ。
完成すれば、目の前の絵は永遠にそばにいてくれると、誰かがささやく声がきこえます。

目つきがにごり、機械のように筆を持ち上げるカリナ。
1回、2回、3回。
もう少し…?
完成させなければいい、と思う反面、色を塗る速度は早いものでした。

もう少しだけ…
カリナの口元に笑みが浮かび、それは狂気に似ていました。
完成すれば望むものも得られ、痛みもない。
してはいけないと言う考えと必ず完成させなければならないという義務感が頭にうかびます。

☆これは、創造者の狂気…!?

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描かれた偽物

もうためらわなかったカリナ。
ほとんど出来上がったよ、とつぶやきます。

誰かに手首を掴まれていなければ…
歪むカリナの顔。普段からは想像できないほど険悪に歪んだカリナは、首をかしげます。
そこには、戸惑いを隠せないフェリオールが立っていました。

カリナ…?と、震える声で呼ぶフェリオール。
目の前にいるのがカリナなのか、彼女の仮面をかぶった他の人物か確信出来ませんでした。

カルロス家の記録の中の創造者と大差ない姿。濁った欲望に輝く瞳。

完成を…つぶやき、右手に力を入れるカリナ。
離して!と。

カリナ!私がタブーについて説明したじゃないですか!あれは完成したらダメです。
死ぬでしょう。

震えるカリナは、その声にニヤリと笑いました。
私の命の代価として作品を完成させることができれば、それこそ最高の作品では無いでしょうか。

狂気に満ちた声でした。腕を引っ張り続けるカリナ。
本当に、カリナなのか確信出来ないフェリオール。

あんな偽物が…欲しいんですか?
ミリアンに会いたければ、いっそこの部屋を出て下さい。カリナが走って行けば、彼は両腕を広げてあなたを抱きしめてくれるでしょう。
偽物は、本物の代わりにはなりません。

筆を持つ手から力が抜け、床に落ちて転がりました。

やっと疲れたようにうなだれるカリナ。取り憑かれた魂が戻ったように。

☆フェリオール…!涙 良かった…!! ミリアンを描いていたカリナです

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犯したタブー

カリナ。
…はい。
椅子に座り顔を上げるカリナ。

絵の中に描かれていたのは、ミリアンでした。
ミリアンを作ろうとしたカリナ。理由は簡単です。
創造したものは、彼女の所有物で、自分の命令に従うから。まるで主人だけを見るヘルタのように。

震える腕で身体を抱きしめるカリナ。

なぜこんなことが出来るんだろう。
最初は肖像画を描こうとしただけなのに、完成するにつれ暴走したのです。

…ごめんなさい、フェリオール。
いいえ、大丈夫です。急にどうしたんですか。まるで他の人のようでした。

狂気に満ちていたカリナ。絵を描いてこそ生きていける人のように。
そんな中でも、ミリアンの名前が彼女を止めると考えるフェリオールです。
彼女の中でどれほど彼の存在が大きいのか実感します。

ただ、そうしたかったんです、とカリナ。
彼女にも説明する術がありませんでした。

…そうでなければならないようでした。誰かが完成させろって言っているみたいだったから。
止めなければと思うと、そのたびに心臓に痛みを感じる気がしたカリナ。

誰が言ったのか、止めようとしたのかと問われても、具体的には答えられないカリナです。

フェリオールはキャンバスを見てため息を付きます。
一歩遅れればどうなっていたか背筋に鳥肌が立ちました。

以前と同じような感じでした。と疲れたような表情のカリナ。
絵を完成させよう、させなければというささやき。

幼い頃…
口をつぐむカリナ。これはしてはならない話でした。

その様子を見て、大きく目を見開くフェリオール。
カリナ、あなた…人を…
人に命を吹き込んだことがありますか?

☆ここでついに、カリナがタブーを犯していた話になるんですね…

☆全体の感想☆

カリナが絵を描くことに囚われてしまいました。
フェリオールが言っていた創造者の狂気そのものですね…
完成させれば痛くない、完成させなければとささやく声。
神の領域の力と言っていましたが、悪魔の力みたいで、怖いですね…
レオポルド伯爵のように、奇跡を起こす芸術家を嫌悪している者もいると言うような描写が以前でましたが、今回のように芸術にとらわれる姿は恐ろしいと思ってしまいました。

なんとかフェリオールが間に合いましたが…
今後もこのようなことが起こるのかもと思うと怖いです…
ミリアンを描こうとしていたカリナ。死ぬまで自分のそばにいてくれる愛する人を創造しようとしてしまいましたね。心の底の自分の望みが筆に乗ってしまったのでしょうか…
偽物は偽物、ときっぱり行ってくれたフェリオールです。不憫だけどね。

そして次回、カリナがどんなタブーを犯したのかが語られますね。

お読みいただき、ありがとうございました…!!

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