６５話　あなた！私、ストライキします【原作小説】

ピッコマで公開中のマンガ「あなた！私、ストライキします」の韓国版原作小説を読んだ感想です。
とても素敵な作品ですのでぜひピッコマで絵付きで御覧ください☆

「あなた！私、ストライキします」韓国版はkakao pageで読むことができます。

！！ネタバレがありますので、ご注意下さい！！
※韓国語を翻訳しながら読んだので、誤りがある場合もあります。ご了承下さい。

※すももの感想です☆解釈違いもあるかも知れませんので、よろしくお願いいたします。

君の隣

…捨てないで。

ジェスターの言葉を待っていたカシアは驚きます。
捨てるな、なんて、この世に自尊心なんて無いような、可哀想で心を痛めるセリフが他にあるだろうか、と。

なにかあったんですか？またアクシオス伯爵がなにか言ったんですか？とカシア。

そんなカシアに、酔ったのかどうか、力を入れて赤褐色の目が返事を要求します。

返事して。
わかりました。

ため息と共に出た答えにも、表情が良くならないジェスター。
ベルトルの発言に心が乱れているようですが、昼に「好きにならないように」とぶつけた言葉が気になっているのでしょう。
心の中で余計な言葉だったと後悔しているカシアです。

カシアを見つめていたジェスターは、腕を引っ張って横に寝かせます。
向かい合ったまま横になり、子供のようにカシアの懐に入り込むジェスター。
その行動にラエルが思い浮かび胸がしびれるカシアは、どうしてもジェスターに弱くなるしかありませんでした。

私は、貴族に生まれた人が羨ましくもなかったし、自分が可哀想とも思わなかった。

カシアを抱きしめるジェスターの頭をゆっくり撫でながらじっと彼の声を聞くカシア。

だけど考えが変わった。君がきてから、なぜ自分が君の側に堂々と立つことが出来ない貴族の生まれではないのか…一日に１２回ずつ…自分の出自が恨めしくて…
バカみたいなこと。私がそんな事言うなって…

いや、自分が立派な貴族として生まれたとしても、あなたは私には過分だったんだろう。帝国をひっくるめても君にふさわしい男はいないようだ。
いったい何をしたらこんなに恥ずかしい賛辞を受けるべきかわからない、とカシア。

気が気ではないカシア。ジェスターはいつも自分自身を低め、カシアを称賛していました。

カシア、私は
あなたに似合う素敵な男になりたくなった。

これが彼の口からでた言葉なのか。
問題ばかり起こしていた息子がようやく正気に戻ったような気がする、と感心するカシア。
図体ばかり大きな子供のようでした。

１から１０まで答えを求めているみたいでバカみたいだけど、それでもよくわからない。
だから、私に教えて。私がうまくやってみます。

胸に埋もれていたジェスターの声が慎重に聞こえます。近くで向き合う目つきが哀れでした。
ゆっくり近づく彼は、カシアの唇をそっと噛みます。

どうすればあなたが私を頼もしい夫と考えることが出来るのか。
どうすればあなたの愛を受け取ることが出来るのか。

知りたい。

☆…何度目かの言葉がでないっ…！！！

クララの事情

よりによって吹雪が激しく吹き付ける日。
準備をして城をでた（有能）執事ポール。

馬夫に待機を頼み、雇用契約書でクララの住所を確認して馬車から降ります。
背の低い家の間から、特にみすぼらしいクララの家が見えました。

ポールが門の石材の取っ手を２回ほど引っ張ると、家の中に気配がありますが反応がありません。
いらっしゃいますか、と再度繰り返すと足音が聞こえドアが開きます。

誰ですか？と、巨体の男性が。薄茶色の髪とぼうぼうに生えたひげの男からは酒の強い匂いがしました。今まで酒を飲んでいたようです。

手を上げ鼻をそっと隠して、挨拶をするポール。
うちの女房を探しに来たんだな、と、男は２階に向かってクララを大声で呼びます。

すぐに降りてきたクララは、階段の途中でポールを見つけ驚きます。
慌てて手で顔を隠すクララに、驚くポール。
二人の顔を交互に見て笑っていた男、マシューが、天気が悪いから中で話を、と道を開けます。

マシューは、お金の袋を腰に結び、よろめきながら家をでます。酒がない、という声がし、彼は飲みに行くようでした。

ポールを古い食卓に案内したクララは席を勧めます。
温めた牛乳一杯でもてなしたクララは、しきりに頭を下げて顔を隠します。
赤く染まった顔は自分の姿のためか、むさ苦しい待遇のためか。

むしろ自分の方が恥ずかしかったポール。
カシアの前でクララの事情も知らず、冷静なことを言ったのが内心申し訳なかったのです。

クララさん、休暇をとったのは顔のせいですか？とポール。
手の甲で頬を拭い頭を下げるクララ。
青いアザが出来た左まぶたと腫れた頬、血が落ちていない口元。おそらく酒の匂いをプンプンさせていたあの夫の蛮行でしょう。
敢えて聞かずとも大体見当がつき、言葉を慎むポール。

特に痛いところはあるのか。体調は悪そうだがすぐに城に出るのは大変ですね？と。
いいえ、特に気になるほどではありません。でもこのような格好でどうやって奥さまをお迎え出来るでしょう。

唾を飲むポール。クララは苦しくて死にそうでした。

カシアを思い出すポールです。必ず自分の声を見に来るように伝えてという言葉も。
クララの事情を見越していたのかもしれないと思います。
善良な奥さまはどのようにしてもクララを助ける事を望み、奥さまの助けに頼ったほうがクララにとっても遥かに良いと決断を下します。

それなら心配しないで明日城に来るように、とポール。
奥様と話した後、休みたければいつでも許可してあげるから、と。

奥さまにお目にかかるのはちょっと、と言うクララに、
でなさい、と断固として言うポールです。

もし誰かの助けが必要なら、遠慮なく私に話しなさい。知り合って間もないから負担かもしれないが、これは本気で言う言葉だ。
その言葉にカシアを思い出し、涙が出そうになるクララ。目に力を入れ、頷きます。

奥さまは本当に良い方だ、実はここに来る前クララさんにかなり怒っていた、とポール。
何か事情があると思えず、責任感のない人として奥さまの前で責め立てた。本当に恥ずかしい、と謝るクララに伝えます。

領地民はもちろん、使用人たちはますます家族のように思っていると言う。公の線を守ることも大切だが、目下の人を使うというよりは親密に共存すると思いながら過ごすようにと教えてくれた、と。

自分を擁護してくれたカシアを思い浮かべ、涙が出そうになるクララです。

クララさんも感じたかもしれないが、奥さまは小さいけれど大きい人です。
クララさんに、明日城に出て奥さまに会ってほしい。私が助けられないことを、奥さまは助けることが出来るかもしれない。と伝えるポール。

その日ポールはカシアの意図通り、クララに優しい言葉をかけて帰路につきました。
帰る間ずっと心が暖かかったポール。
使用人１人を家族のように思う優しい奥さまをお迎えしているという事実が改めて心を温めた結果でした。

☆ありがとうポール…涙

犯罪申告書

翌日、ポールの言葉で勇気を出したことを後悔していたクララ。
カシアが心の中で何を考えているか心配でした。
このような格好で入ってきたと怒るだろうか、勝手に欠勤したことを怒るだろうか…と。

あなたに何があったのか…と、静寂を破り話すカシア。
奥さま、近所の人と喧嘩したんです、でも仲直りしたので…
敢えて聞くつもりはない、クララ。

言葉を遮ったカシアに驚くクララにため息を付き、カシアは後ろのテーブルから紙を一枚とって渡します。
間違いがあったら、言って、と。

被疑者：マシュー・ホールトン

それは帝国の全ての領地で共通で使用されている犯罪申告書でした。
申告内容には、自分の結婚生活を直接見たかのように細かく記載されており、驚くクララ。

届出人：カシア・グレゼ
その申告人に書かれたカシアの名前に、紙をギュッと握るクララ。

申し訳ないけど、申告人の名前をみてもわかるように、私はあなたに申告するかどうか意思を問うわけではない。あなたの夫を申告すると決めたのは私で、あなたはただ申告書に誇張や抜けが無いか話して、と確固たるカシアの言葉。

これをどうやって通報するんですか？マシューはどうなりますか？
帝国法では、彼の処罰は難しいでしょう。
奥さま、私は夫が怖いんです。私に怒るので、私、私…

心配しないで。
そのカシアの声に、嘘のように心配がなくなり驚くクララ。

グレゼには、グレゼだけの法があるでしょう。
私は今度、私の夫を信じてみようと思うの。

☆ついに、マシューを犯罪者として申告するようです！