６０話　あなた！私、ストライキします【原作小説】

ピッコマで公開中のマンガ「あなた！私、ストライキします」の韓国版原作小説を読んだ感想です。
とても素敵な作品ですのでぜひピッコマで絵付きで御覧ください☆

「あなた！私、ストライキします」韓国版はkakao pageで読むことができます。

！！ネタバレがありますので、ご注意下さい！！
※韓国語を翻訳しながら読んだので、誤りがある場合もあります。ご了承下さい。

※すももの感想です☆解釈違いもあるかも知れませんので、よろしくお願いいたします。

クララの不在

カシアはクララを呼び、ベッドの上、心の中でベルトルのあらゆる悪口を言っていました。
しっかり固めていたジェスターの自尊心を踏みにじり、そんなことなどなかったかのように威厳のある貴族のふりをしていたベルトル。
「爆弾発言」まで飛び出し、カシアの怒りから脱することは出来ません。

出勤したはずのクララを読んだのも、前日のベルトルの蛮行を並べ、怒りを鎮めるためでした。
しかし、ノックの音と共に入ってきたのは、クララではなく別の女中の１人でした。

クララは２週間休みを取っているという話をする女中。執事に聞いてないでしょうか？と。
休暇の理由は分からないが、昨日退勤後に伝令場に来て伝えていったようだと…
あまりに一方的に言って行ったので執事は少し怒っているようです…と。

その言葉に心臓が震えるカシア。
誰よりもクララの性格を知っており、彼女は何の理由もなく勝手に振る舞う性格ではありません。

クララの事情を偶然知った、前世の不吉な事件が思い浮かぶカシアは、震える親指を噛むのでした…

☆クララ…！絶対なにかありましたよね。怖っ！

演舞場にて

演舞場を紹介する、ジェスターの明るい表情を見るベルトル。
昨日の発言に打撃を受けている様子はまったくないように見えます。

伯爵様？
ああ、驚いたよ。時間も立っていないのに、良く軍隊を訓練している。

その言葉は事実で、傭兵団「ジャッカル」の大部分とビチェから連れてきた野蛮族兵士で構成されたグレゼの軍隊は、無視できない戦力になっていました。

狭いグレゼでもなければ、成長を牽制する可能性があるほど、零細な領地には行き過ぎなほどに立派です。

かなりの費用がかかったはずで、カシアの実家から助けられたのだろう。
本当に、過分な褒章だ、とにっこり鼻で笑うベルトル。

美麗な妻。実家は南部屈指の大富豪。
皇帝が大事にしてやまない自分に、なぜカシアをつけようとしたのかベルトルは改めて悟るのでした。（今更！）

兵士を育てるのに資金が必要だったはずだろう。ルベルノに助けてもらったのかな？と問うベルトル。
はい、とんでもないことですが、ルベルノ伯爵に助けてもらいました、とジェスター。

どうやら、男爵の人生最大の幸運は、ルベルノ伯爵令嬢を妻に迎えたことではないか、と、思わず顔をしかめるベルトル。ただジェスターを踏み潰したくて取り出した幼稚な言葉でした。
もともと、自分の物でなければならなかったカシアがジェスターの手に落ちたというのが不快で、意地悪に違いない。（はぁ〜〜〜？）

そのとおりです。と、むしろ平然と答えるジェスター。
不安だ。そうじゃない？と、ベルトル。
訓練中の兵士を見ていたジェスターが、ようやく視線をベルトルに戻すと、少しの沈黙の後に口を開きます。

そうでないと言えば嘘ですが、心配はありません、と。
過分ですが、妻が毎日グレゼと私が好きだと言ってくれます。
だから、心配して不安に思うのはバカみたいだし、妻を信じていないような気もするし…

はは……男爵夫人は優しさまであるね。頑張らなきゃ、とベルトル。
はい、頑張るつもりです。

ベルトルはにっこり軽く笑いますが、裏腹に、下で拳を握ったり伸ばしたりする姿には全く余裕がありませんでした。

ふと思い出したかのように、
今度の皇女殿下の誕生祭に招待されましたか？と問うジェスター。
一つお願いしたいことがございます。もしかして、私も皇女殿下の誕生日をお祝いできますか？と。

伯爵以上が招待状をもらえるため、ジェスターはもらうことが出来ないが、皇帝の寵愛をたっぷり受けるベルトルであれば難しいことではありません。

難しくない。とうなずくベルトル。
ところで、どうしてそんなところに行こうと思ったのか？貴族達の遊びには全く関心がないと思ったのに…そろそろ貴族社会に顔を出す気になったようだね、と。

ベルトルが笑うと、顔を赤くして首を振るジェスター。
いいえ、妻が皇居に行きたがっているようなので、私の足りない能力では難しいので、お恥ずかしいですが伯爵にお願いしてみようと思いました、と。

一瞬呆然と嘆声を漏らしたベルトルがぱっと笑い出します。
妻が好きそうなプレゼントを、こんな風に準備するんだね、と。
一発食らった気分でした。ベルトルは笑う唇の下に震える歯をギュッと結びました。

☆ジェスターの変化。嫌味が効かないジェスターにイライラするベルトルですね。

マシューへの罰

できるだけベルトルに会いたくなくて、部屋に閉じこもっていたカシアですが、クララがあまりにも心配で、結局ポールに頼んで調べてもらうために部屋をでました。

前世でも、家に帰ったマシューに殴られたクララが突然仕事を休むことがあり、不審に思い調べたカシア。その時になって事情を知り、どれほどの衝撃を受けたか。

すぐに離婚を勧めましたが、グレゼの民である以前に帝国民でもある領地民は、帝国法に従う必要があり、簡単ではありませんでした。
夫婦ともに合意していない離婚は認められない、という項目があり、離婚要求を拒否したマシュー。
そのような状況でカシアにできることはありませんでした。
領地民を強制退出出来る権限は領主のジェスターにあったためです。

妻のことも気にしないのに、領地民のことにいちいち気を使う男ではありませんでした。
そもそも一週間以上も城に滞在することもなく。口先だけの領主は、戦争各地を転々とする平民傭兵の人生を生きていました。

結局、マシューと直接談判し、ある程度の金銭で離婚に合意させたカシアです。
クララの事情を早く知れてよかったが、またマシューと談判しなければならない事を思うと憤るカシア。
グレゼの奥さまが、直接誠意を見せてくださるとは…と笑って、銀塊の入った包を渡すカシアの手を密かに握って手探りをした感触が相変わらず鮮明でした。（どうしようもない男ばっかりだな）

廊下を再び歩き始めるカシア。
今回は、あの時は違う。厳密にはマシューは犯罪を犯し、正式な手続きを経てジェスターに執行を要求すれば、マシューを懲らしめる事は難しいことでは無いでしょうと考えるカシアでした。

問題は、夫だ、と考えるカシア。
犯罪者をきちんと処罰して下さい、と皮肉ったら、彼の反応はどうだろう。
すでにそれとなく聞いた時の反応が思わしくなかったので、想像するまでもなくあきらかな答えが出るかもしれない、と。

え、そうか…深刻なことだね…どうすればいいの！？

口をパクパクさせているジェスターの顔を想像してため息をはくカシアです。
それでも一応話してみよう、と考えます。

☆心配しなくても、調教師カシアの言うことは何でも聞く忠犬だと思うよ！笑

遭遇

複雑な思いに、頭を下げて歩いていたカシアの視界に、見慣れない足先が入ります。
反射的に顔を上げ、見えたのは嬉しくない顔、ベルトルでした。

なんなの、なんで歩き回ってるのよ。
顔をしかめるところだったが、毅然と目礼して避けるカシア。

お互いに避けた方向でまた向き合ってしまい、また止まる足取り。
ぎこちなく笑って反対に足を運ぶと、待ち構えたかのようにベルトルも彼女の前をふさぎます。
一度は偶然でも、二度目はちがいます。

ニッコリ笑うベルトルの笑顔は、確かに意図的でした。

なにかおっしゃることでも？とカシア。
やっぱりこの陰湿な男は１０年戻っても変わっていない、と思うのでした。

☆いやだ〜。自信がある男のこういう行動が気持ち悪い。笑